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さくら洪水 4月11日 [詩(うた)]


『さくら洪水』

昼の日差しは夏のように温かく 湿り気があって
うなされたように 息苦しくて

最後の花見に足が向いたのは
うす暗い部屋に 居たくなかったからなだけ

花見の宴は 葉桜の下でさえ 盛大で 
浮かれ気分に なじめず
風に押されながら 池の方へむかう


あちこちで
つむじ風に 花びらが舞い
はらり ひらり 御簾のように
桜の精を 見え隠れさせる

でもすぐ 暴力的な突き風に撒かれて
桜の精は さらわれていってしまった


池の南端には 風に煽られて
枝から離れたばかりの きれいなピンクが
排水溝に 呑み込まれてしまわないように
しっかりつかまりあって
ゆらいでいる

ときどき 真っ黒な空間がピンクの中にあく
??
はっとして目をこらすと
大きな口を開けた池の主が
ぱくぱく ぱくぱく
花びらを 食べていた

排水溝に のまれ
処理場でゴミと一緒になるより
鯉のお腹に入って お尻から出てきて
池にいられた方が
あのピンクたちには 幸せなのかもな
って。。。

hanabira.jpg

深礼//
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