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『徘徊かも…』 [くすっ]

おはようございます

『徘徊かも…』のお話です

家の近くに 小さな川が 流れています

深夜に帰宅した ある晩
川にかかる 橋の手前にさしかかると

ちいさなちいさな 影が
ひょこひょこ 近づいてくる
ネコ? 犬? いのしし? タヌキ?
足を留めて 目を見張る

カモじゃないですか!

「かも!」と思わず叫んだ
声にびっくりしたカモは 腰が抜けたのか
その場に ひなっと 座り込んでしまった

住宅街 それも 真夜中に
舗装道路の 真ん中。。。

この辺は裏道で 夜でもタクシーが結構通る
「まずいよ ここは」

話しかけても 疑いの目を 返すだけで
ますます 首を体に押しつけて
亀になったように 動かない
羽を そおっと 押してみた 
石のように動かない


「まいったなあ」
「頑固な ヤツだ」
「知らないよ」
とぶつぶつ言いながら 横を通り過ぎる

でも 気になるので 2,3歩ごとに振り返ってみる
「こっちに おいで」
まだ 動かない

遠くに タクシーのライトが光った

やばい 

私と カモが 同時に思った。。。 かどうかは
定かでないが

私は急いで もういちど  今度はしゃがんで
子犬か 子供にするように
ちいさく手を広げて 呼んだ
「こっちに おいで」

一目散に 私の方に
ひょこひょこ ゆらゆら 
でもさっきの 亀のような冷静さを失って 
カモに戻って(いや、始めからカモなんだけど) 
歩いて(彼としてはきっと、走って) やってくる

かわいいヤツ!
何だか 初めて会ったような気がしない
愛おしい
妙な気持ちになりながら 呼び続けた

しかし1m手前で はたっと 
立ち止まった カモ

タクシーの光が 一つ手前を折れて
見えなくなった

また冷静になって 私を見つめる
闇で光る 緑茶色の瞳

「いいから こっちに来るの!」
寒い晩 夜中に カモと話している隣人を
誰かが見たら 変なウワサが 立ちかねない

ちょっと カモの猜疑心に イラッとしながら
彼の先を歩く

ワタシ 5歩歩く 止まる
カモ 20歩歩く 止まる

ワタシ 8歩歩く 止まる
カモ 30歩歩く 止まる

……

ふうっ
近くの公園の 水場まで 何とか誘導に成功
「あとは 自分で 帰るんだよ」

寒い 夜だった


それ以来 

同じような時間帯に 橋にさしかかると 
決まって
ちいさな影を 目が探している

きちんと 帰れたかな?
仲間に 会えたかな?
最後まで見送らなかった 自分を ちょっと悔いながら。。。


どなたか カモの徘徊を見つけたら
ご一報を


では、おやすみなさい

深礼//

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やるなあ!新聞一枚でつくる茶の間 [くすっ]

おはようございます。

またまた面白い人を車内で発見しました
他の路線にも意外といるかもなぁ

(ところどころ、スポーツ実況放送の感じで どうぞ!)

早い夕食が終わった頃の時間帯 
都心から郊外へ向かうとある地下鉄

車両の端にある3人席に
白髪まじり ぷっくりした頬 黒ぶち眼鏡 の男性が座る
黒い書類カバンをひざの上に立てると
カバンからスポーツ新聞を取り出し
立てたカバンの上に新聞を器用に乗せると 自分の目の前に掲げた
男性の頭のてっぺんが少し見えるくらいまで 隠れた

すぐ左隣は空席
一つ空いて男性が先に座っている イヤホンをして携帯をいじっている
右はドアとの境に壁のように板があり
ドアに向かって立つ男の人は 半分目を閉じてウツラウツラ
目の前に立つ人はいない

準備完了!


プシューッ プルタブの音
聞き違うはずがない ああ あの音
手で覆って押し殺しても 消しきれなかった
あれは 風呂上がりに なじみの深い音
ビールかな サワーかな
臭って来ないから きっとサワーだ

続きまして
ガサガサ ゴソゴソ  袋菓子です!

カバンと左手で押さえている新聞が 少し揺れた
おっと危ない
すかさず右手で支える
新聞の安定を確かめてもう一度 右手が離れる

目の高さに新聞が上がり 二回ほど小さく上下する
ふふふ 飲んでる飲んでる

新聞で顔と缶を隠すのに必死で
膝上のカバンが丸見えになったのにも 気がつかない
頭隠して 尻隠さずって これね
ちらっとオレンジの袋が見えました!
柿の種のようであります
しかし音させず うまく運んでいます

新聞が顔の前に戻る その時でした
右手が一瞬 左手の新聞より早く降りてしまった
見えました! 今見えました! 
レ・モ・ン サワー です! おめでとう大正解!!
缶はカバンの右端に空けておいたスペースにスポッと収まりました
お見事であります

右手が缶から離れ 袋に移動 静かに口に移動します
この間 0.8秒 すばやいですねえ
訓練の賜物ですねえ

おっ 左となりの男性が 顔を向けました
二度見しています
いやはや さすがに 小生ちいさく笑ってしまいました

当の男性が 新聞から目だけ出て 周囲を観察します
しかし すぐまた新聞内茶の間に戻ってゆきました
なんと くじけません!
その根性は肝入りです
すさまじい執念と経験に基づく行動であります

CIMG4944.JPG
3回ほど新聞が上がって下がって
一連の作業が繰り返されます

おもむろに スススッ
カバンのファスナーが閉まりました
新聞を両手がつかみ
パンパンと4つに畳みます

顔が出た しかし 視線はあくまで人の足下
目が合ったら ゲームオーバー
次の停車駅で 上がり。 必死に耐えます
あと10秒
よし 扉が開いた 両足着地
ゴーーーーーーーーーーーーール!


時間に追われる 会社戦士 か
求職中で家でゆっくり杯を上げられない苦境のお父さん か

笑ってしまって可哀相だったかな

誰にもバレてないと 思い込んで
バレていても構わないと 開き直って
また明日も 
新聞内茶の間を続けるんでしょう

今度出逢ったら 目の前に立って茶の間を覗いてみたいな



お疲れ様でした!
おやすみなさい


深礼//


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た、た、たくましい [くすっ]


おはようございます。

週末金曜の夜ともなれば、とたんに増える酔っ払い。

寄りかかりを肘で突き戻し、それでも気がつかないと、
支えておいて急にはずして目を覚まさせたりと
何とか起こそうとするのも、やる側の独り相撲。。。
誰しも一度は経験がありませんか?


今日も、OLおねーさんと若者Yに挟まれたサラリーマンMr.Sさんは
ゆらゆらしていました。
何度か二人の間を行きつ戻りつ、とうとうおねーさんは席を立って反対のドア付近に。
その頃には、広いスペースを確保したMr.Sは大イビキを始め、
8割方埋まっている車内にも響き渡り、振り返られる始末。

困ったね、とおねーさんやYさんも視線を交わしたり、
指をさして笑っている女の子たちも。

と、列車が大きくカーブしたその瞬間

どっすーーーーん

イビキよりも更に大きな音が響いて、またみんなが音の方を振り返ると

Mr.Sが座席から落っこちた!

「あっ」「アッ」と心配な視線が車内を駆けめぐる。

CIMG4717.JPG

しばし、静寂。。。頭でも打ったかしら。。。

数秒後に車内に響き渡ったのは
おねーさんの悲鳴、じゃなくて、

いまや床をベット化したMr.Sの、
さらに大きなイビキでした。

ドアが開き、
心配して損した と言わんばかりの仏頂面のYと
苦笑に眉間をゆがめたおねーさんは
ちらっとMr.Sを一瞥して 降りてゆきました。


Mr.Sはどこまで行ったのかなあ。。。
ああ、かくもたくましい日本の酔っ払い様たち。
お仕事ご苦労さまです。
明日がいい日になりますように。


深礼//


しまった; [くすっ]


おはようございます。

本日の「くすっ」コーナー

通勤時間を過ぎた電車の中。
ほどよく、席にゆとりのあるこの時間帯。
朝のひと仕事を終えたらしきサラリーマンMr.S。両隣と前が空いてる。

目的地まであと3駅。
のどかで平穏な時間は儚くもやぶれ。。。

お出かけ待ち合わせらしきおばさま3人が乗り込んできた。

マダムA「あ〜ら、空いてるじゃない」
マダムM「すわりましょ、あら、あなた、そこでいいわよ。」マダムS「いいわよ、ワタシこっちで」

Mr.S『しまった…』両隣りと目の前をふさがれた。。。

A「これ、この間言ってた、アレよ」S「あ〜ら、アレね。うれしいわ。ふふふ」
Mr.S 新聞を目の上まであげて防衛。。。
M「ちょっと見せてよ」S「はい」A「これもよ」S「うわ、いいわね、どこで見つけたの?」
「がほほ」「きょいんきょいん」「てべてべ」と果てしなくつづくラリー

DSCF3511.JPG

新聞壁防御作戦は、あっけなく越えられてしまい、次の駅でMr.Sはノックアウト。
あと2駅が耐えられなかったかあ。。。
場外(車外)に追いやった三人は仲良く旅のつづき。
S「ちょうど空いてよかったわね〜」AM「ねえ、それより…」

えゞっ(絶句と笑いをこらえる私の苦悶の声)

今日も何人の人が餌食となったでしょう。
当の本人たちの無頓着さと無邪気さがかなりシュールに笑えました。

ありますよね、これ。うん、ある。ある。

AさんもMさんもSさんも、そしてどうかMr.Sさんも、
みなさん、本日も、どうぞ、良い夢を。


深礼//
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